自然エネルギーの電気が使える自然電力に切り替えた

半年ほど前に電気の契約先を「自然電力」を切り替えました。

2016年に電力自由化が始まっており、これまで当たり前のように契約していた地域独占の電力会社以外の会社を利用できるようになっていることを知ったからです。

自由化後に多くの会社が電気の小売り業に参入しており、これらは「新電力」と呼ばれています。

数多くある新電力の中から自然電力を選んだのは、名前からわかるように自然エネルギーによる電気が使えるのが理由です。

電気料金の事前シュミレーションによると、これまでより若干高くなるようでしたが許容範囲でした。

自然電力の契約期間は1年となってますが、解約金がないため実際にはいつでも無料で解約できることも乗り換えを後押ししてくれました。

まずは使ってみて不満があったら他の新電力へ乗り換えられるので気軽に申し込めました。

自然電力への乗り換えは簡単

電気の乗り換えはすごく簡単で、自然電力のサイトで申し込みをしただけです。

これまで利用していた地域の電力会社の解約手続きは自然電力がやってくれます。
自然電力に限らず、地域の電力会社から新電力に乗り換えるときや新電力間で乗り換える場合は利用者側は解約手続きが不要です。

切り替えの際の工事も不要ですが、家の電気メーターがアナログ式の場合はスマートメーターに交換する工事が必要で、その場合は地域の電力会社の担当者が来て交換することになります。
料金は無料で立ち合いも不要です。

私の家の場合は既にスマートメーターになっていたので工事不要でした。
2つのメーターの違いは、アナログメーターは数字の表示がアナログ式ですがスマートメーターはデジタル式です。

切り替え日はこれまで使っていた電力会社の次の検針日からでした。
申し込み後にメールで切り替え日の連絡が届きましたが、切り替え日前後には特に何のお知らせもなかったので、いつのまにか切り替わっていたという感じです。

乗り換え後の電気料金

自然電力に乗り換えても使用感はこれまでと何も変わりません。

発電方法が違っていても電気自体は同じものですし、電気の送電はこれまでと同じ地域の電力会社が担っているため品質や停電のしやすさなども変わりません。

電気料金は少し変わりました。

ここ半年の各月の電気使用量をこれまで利用していた電力会社の料金計算方法にあてはめて計算し、自然電力への支払い料金と比べてみたところ4月までは自然電力の方が少し高く、最も差が大きい時で356円の違いがありました。

5月は95円、6月は186円だけ自然電力の方が安くなっていました。
原因は自然電力の電気料金の一部を構成する「電気を買う費用」の単価が下がったからです。
1月には10.13円だったのが3月から低下し6月には7.37円になっています。

購入単価の下落は新型コロナウイルスの影響で経済活動が低迷し電気の需要が減少したことなどが要因らしいです。

これはあくまで私の家の場合で、電気の乗り換えによって料金が高くなるか安くなるかは、普段の使用量やこれまで利用していた電力会社のプランなどによって異なります。

なお、契約したのはSE100という自然エネルギー100%のプランで、このほかに自然エネルギーの割合が30%のSE30や3%のSE debutというプランもあります。
SE30やSE debutの方は電気料金の一部を構成する「事業を行う費用」の単価が低いため、こちらの方が電気料金を安くできます。

安さよりも自然エネルギー100%にこだわるならSE100、自然エネルギーの電気を使いつつ料金の安さも求めるならSE30かSE debutというように希望に応じて選べます。

市場価格に連動する料金

自然電力グループは太陽光や風力など自前の自然エネルギー発電所を保有していますが、自然電力のサイトによると2018年実績でこちらから調達しているのは全体の32%となっており、残りの61%は日本卸電力取引所(JEPX)から、7%は相対取引で電気を購入して消費者に提供しています。

このため、自然電力の電気料金の一部には「電気を買う費用」が含まれており、この単価は、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動しています。
つまり、取引所の市場価格が高くなれば自然電力の電気料金も上がり、今年の春以降のように市場価格が下がれば電気料金も下がるという仕組みになっているのです。

地域の電力会社の場合、「燃料調整費」によって石油・LNG・石炭といった燃料価格の変動が電気料金に反映されますが、自然電力の電気料金は取引所の市場価格の変動に影響を受けます。

市場価格は電力の需給によって変わるため、今回のコロナウイルスのような外部要因によって下がることもあれば、逆に何らかの要因で上がることもあります。

<追記>
その後、2021年1月と2月は市場価格の高騰により電気料金も大幅に値上がりしました。
市場価格が高騰したのは、LNG火力発電所で使うLNGが不足したことなど様々な要因があったようです。

これを受けて自然電力は以下の2点の特別措置を実施しました。
・1月・2月分の料金のうち事業を行う費用の値引き
・1月・2月の料金は地域の大手電力会社の電気料金を基準にし、それを超える分は最大3万円まで値引き

私の家の料金は、地域の電力会社だった場合と比べて1月は4倍ほど、2月は3倍ほど高くなっていましたが、最大3万円までの値引きでカバーできたので自己負担はほとんど増えてません。

契約する時点で市場価格が上がれば電気代も高くなることはわかってましたが、今回の高騰は想像を上回るものでした。

その後、市場価格の急変動による影響を抑えられる新料金プランが登場しました。
新プランでは「電気を買う費用」の単価の下限が5円、上限が20円に設定されているため、卸電力取引所の市場価格が20円より高くなっても上限の20円で料金が計算されるため、電気料金の高騰も防げます。

実質的に自然エネルギー100%

日本卸電力市場で売られている電気は、火力や水力、原子力など様々な方法で発電されたものが含まれています。

ここから電気を買っているのになぜ自然エネルギー100%と言えるのかというと、提供する電気の分だけの「非化石証書」を購入しているからです。

非化石証書というのは、石油や石炭などの化石燃料による発電以外の方法で発電する際にCO2が排出が無いという「非化石価値」を証書化したものです。

自然エネルギー由来の電気でなくても「非化石証書」を購入することでこの「非化石価値」を持たせることができるため、実質的にCO2排出ゼロの自然エネルギー由来の電気と見なせるのです。

電気その物はミックスされているため自然エネルギーで作られた電気だけを使うことはできませんが、二酸化炭素の排出を減らすことには貢献しています。

自然エネルギー100%を目指す

自然電力は現時点で9か所の自然エネルギー発電所から電気を調達しており、今後も調達先は増やしていく方針です。

また、自然電力の料金の1%は自然エネルギー発電所を増やすために使用されることになっており、最終的には自然エネルギー100%を目指しているようです。

現状では半分近くを卸電力取引所から調達していますが、このまま自然エネルギー発電所が増えていけば、将来は大部分を自然エネルギー発電所から供給できるようになるでしょう。

まとめ

電力小売りの自由化により利用する電力会社を選べる時代になっています。

電気の乗り換え手続きは簡単です。スマートメーターが設置されていれば工事不要で、利用の申し込みをするだけで切り替えができます。

自然電力の電気は自社グループで自然エネルギーの発電所を保有し、足りない部分は卸電力取引所から電気を購入しています。

電気料金の一部を構成する「電気を買う費用」の単価が取引所の市場価格に連動するため、外部要因によって電気料金が変化することがあります。

利用者に提供する電気の分だけ非化石証書を購入することで実質的にCO2排出ゼロの自然エネルギー100%を実現しています。

電気料金の1%は自然エネルギー発電所を増やすために使われます。

自然電力なら電気を使いながらCO2削減や自然エネルギーの拡大に貢献できます。

 

<追記2>

その後、2021年10月からの電力卸売市場の価格高騰により年明け辺りから電気料金がまた値上がりしていました。
2022年10月4日には、市場価格の高騰による調達コストの増加に加えて国際的なエネルギー市場の混乱の収束時期が見通せないことから、2022年11年30日で電力小売りサービスを終了することが発表されました。
今後は、再生可能エネルギー発電所の開発事業に専念するそうです。

CO2排出実質ゼロの電気が使える別の新電力はこちら⇒CO2フリープランのある新電力