賃貸のマンションやアパートでも電気の契約先は自分で決められる

マンションやアパートといった賃貸住宅でも契約先の電力会社は自分で決めることができます。
マンションで電気を一括契約している場合は別ですが、個別に契約するようになっていれば入居者が自由に電力会社を選べるのです。

昔は各地域の大手電力会社と契約するしかありませんでしたが、2016年4月から一般家庭向けの電力小売り自由化が始まったことで様々な事業者が電気の小売り事業に参入しており、消費者の選択肢は増えています。

自由化後に参入した事業者は「新電力」と呼ばれています。

新電力が販売する電気は各地域の大手電力会社の送配電網を使って各家庭に送られるため、電気の品質は大手電力会社や各新電力で違いはなく、新電力だから停電しやすくなるといったこともありません。

私は前に住んでいた賃貸アパートで地域の大手電力会社から新電力会社に乗り換えをし、現在住んでいるアパートでは、前に住んでいたところで契約していた新電力会社で住所変更の手続きをして継続利用しました。

賃貸でも電気の契約先は変更でき、新規で入居する部屋でも住み始めるときから新電力を利用することができるのです。
ただし、新築の建物に入居する場合は初めから新電力を利用できず、まず大手電力会社と契約して後から乗り換える形になるようです。

新電力の契約・乗り換え方法

新電力を利用開始するのは簡単です。

外の壁に取り付けてある電気メーターが「スマートメーター」になっていれば、利用したい電力会社に申し込みをするだけです。

乗り換えの場合は、利用中の電力会社の解約手続きは乗り換え先の会社が行ってくれるため、利用者は何もする必要はありません。
次回の検針日から乗り換え先の電力会社に切り替わりますが、申し込みのタイミングが次の検針日近くの場合は次々回の検針日からになります。

スマートメーターは文字盤がデジタル式になっている電気メーターで、通信機能が備わっているため電気の使用量の検針業務が遠隔で行えます。

壁に取り付けてあるのが従来のアナログ式電気メーターの場合は、各地域の一般送配電事業者（東京電力など）がスマートメーターに取り換える工事を行いますが、工事の立ち合いは不要で工事費は原則無料です。
例外として、電気メーターと取り付ける部分に不具合がある場合など追加の工事が必要な場合は費用が発生することがありますが、基本的に費用はかかりません。

新電力の注意点

ここでは新電力で注意しておきたい点を説明します。

未提供のエリアがある

北海道から沖縄まで全国で利用できる新電力もありますが、中には一部のエリアでは提供していない新電力もあります。

利用したいと思った新電力があったら、まず自分が住んでいるエリアが提供エリアになっているか確認しましょう

アンペア数の下限がある新電力

新電力のプランによっては、下記のアンペア制の地域の場合はアンペア数が30A以上という条件にしているところがあり、20A以下で利用している場合は契約できません。

この場合は、現在利用している電力会社でアンペア数を30A以上に変更すれば乗り換えはできますが、アンペア数が大きいほど基本料金は高くなります。

支払方法が限定されている

新電力によっては支払方法がクレジットカードのみとしているところがあります。

このためクレジットカードを持ってない人は、口座振替などの支払い方法も用意されているところが選択肢になります。

最低利用期間と解約金

契約期間の設定がなかったり、契約期間は1年となってはいても中途解約の解約金（違約金）はかからず、いつでも無料で解約できるという条件の新電力は多いです。

ただ、中には契約期間を設定し、契約期間中に解約する場合は高額な解約金を支払う必要がある新電力もあります。

例を挙げると以下のような条件です。

契約期間が3年の自動更新型で、3年ごとにある更新月以外に解約すると9,000円の解約金

最低利用期間が1年で、1年未満で解約すると22,000円の解約金

最低利用期間のタイプなら、その期間を過ぎればいつでも無料で解約できるようになりますが、契約期間が自動更新されるタイプでは、更新月以外に解約する場合は無料で解約できないため注意が必要です。

いずれにしても賃貸マンションやアパートに住んでいて将来引っ越す可能性があるなら、契約期間がないか中途解約しても解約金は発生しない新電力の方が利用しやすいでしょう。

新電力の料金プラン

新電力は各社で特色ある料金プランを用意しており、例えば下記のようなプランがあります。

電気料金を安くしたい人もいれば太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで作られた電気を使いたい人もいるでしょう。
自分の希望条件に合わせて最適な新電力や料金プランを選んでください。

まとめ

マンションやアパートといった賃貸住宅でも電気は個別に契約するようになっていれば、利用する電力会社を自分で選んで契約することができます。

今住んでいる部屋で電力会社の乗り換えができますし、引っ越し先の部屋で自分で決めた電力会社を利用することも可能です。

これまで当たり前のように大手電力会社を利用してきた人は、この機会に利用する電力会社や電気料金プランを見直してみてはいかがでしょうか。